【暮らしと服】白いブラウスが好きだ

白いブラウス

【暮らしと服】白いブラウスが好きだ

高校生の頃はセーラー服だった。夏は白いブラウス。なんの魅力も感じないブラウスで、スカートにインして着る。リボンを結ぶ。蝶々に。スカートは全体に規則的に追いかけるプリーツではなかったような気がするが、40年以上前なので記憶が定かではない。

当時は寝押しをしていた。
和室で寝ていた私は中学の頃から毎日スカートのヒダを畳んで、その上に一枚布を乗せてから敷布団を敷いて寝た。体重でプレスされてヒダが取れないというわけだ。

大学生になって2年ほどした頃に真っ黒な服が流行った。デザイナーズブランドである。当時はコムデギャルソンとかワイズとかビギなどが全盛期だった。

それまでサーファーファッションで髪も長く伸ばしていたが、急にテクノを聴き、髪を短いフラッパーや刈り上げにして、思い切ってファッションビルへ飛び込んだ。

貧乏な学生だったのでたくさんは買えないので、まずは白いブラウスを一枚買った。その後その上に着るタキシードみたいな紺の上着を。それに合うスカートは売っていなかったので当時池袋から少し電車に乗ったところに住んでいた伯母の家に行き、似たような紺の生地でロングのタイトスカートを縫ってもらった。

白いブラウスは丁寧に石鹸で手洗いして、ドリップドライ。襟やカフスをよく見て、汚れを白い石鹸で落とす。大事に大事に着た。

白いブラウスは合唱でも着ることがある。
声楽の試験では白いブラウス。少しフリルのついたものに黒いリボンを巻いて、下には模様のあるフレアースカートを履く。レッスンを受ける時もGパンは禁止されていたのでスカートのことが多かった。とにかく試験は服装も大事。

30代、40過ぎの日常の生活ではすっかり白いブラウスを着る機会は無くなっていたが40代半ばになって仕事でチロルのワンピース(ジャンバースカート)を着るようになって、白いブラウスが必要になって今度はレースなどの装飾がついたものを買うことが増えた。
そして今はどちらかというとナチュラルな服装が好きになって、麻や綿。ガーゼ素材などの「ほっこり系」のふわっとした白いブラウスを着るようになった。

「白いブラウス」はどれもそれぞれ違い、その時の流行や目的、年齢に応じてどんどんチョイスが変わってくる。

まだあまり自分では「似合う」とは思っていない「白いブラウス」。この先はどういう「白いブラウス」に出会うのだろうか?

とりあえず、今着られるブラウスを集めて、長い休みのうちに(コロナの関係で仕事も不要不急の外出もストップです)ほつれはないか?黄ばみはないか?チェックして、漂白もして一枚一枚大事にアイロンをかけてスタンバイさせておこうと思う。

(マザーウォーターへ

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